以前調べたときに,カナダのアルバータ大学では,薬学生がインフルエンザワクチンを接種していたというのを見て,結構衝撃的だった.
このプログラムは,学生とって,とても良い影響があると思う.
「事故にあったことがないから,シートベルトはしない.インフルエンザに罹ったことがないからインフルエンザワクチンを接種しない」という意見に対して
「予防接種は自分を守るだけではなく,インフルエンザは伝染性があり,周りに広げてしまう(のをインフルエンザワクチンが防いでくれる)」という考えが学生時代にもてるのも素晴らしい.
https://www.folio.ca/online-check-in-makes-getting-flu-shot-easier-for-students
それ以来,あまり調べて事がなかったが
薬局ベースの予防接種サービスの全国調査が報告されている.
National survey of pharmacy-based immunization services.
Vaccine. 2018 Sep 5;36(37):5657-5664.
米国からの報告.
・米国では薬剤師がワクチン投与の権限がある
・少なくとも1種類のワクチンを接種した薬局が79.5%
・インフルエンザ以外にも肺炎球菌,帯状ヘルペス,肺炎球菌など
・さらなるサービス強化には,コストと保険の問題に対処していく必要
米国の薬剤師は,やはりすごいですね.一つ一つの種類と数を間違いなく調剤して,患者さんに説明し,という日本の業務も質は高いと思いますが,
米国のように,数は管理できれば自己管理,ボトルで渡し,薬剤師として貢献できる部分,というのが明確な気がする.
日本では難しい気もするが,これからの高齢化社会,医師だけにワクチン接種をしてもらっていては,破綻するのではないかとも感じる.
インフルエンザワクチンで調べていたら,ちょっと素敵な論文が.
どうでしょうか,生きる力をくれる,素敵なタイトルです.
インフルエンザワクチン接種当日のポジティブな気分は、ワクチンの有効性を予測する:前向き観察コホート研究。
Positive mood on the day of influenza vaccination predicts vaccine effectiveness: A prospective observational cohort study.
Brain Behav Immun. 2018 Jan;67:314-323.
・インフルエンザワクチン接種は,高齢者の17〜53%において有効であるとされている.
・複数の患者行動および心理的要因が,ワクチン接種のアウトカムに影響を及ぼすのに十分な「免疫モジュレーター」として働くとされている.
・複数の行動(身体活動、栄養、睡眠),心理的影響(ストレス、ポジティブ、ネガティブ)の影響を調べる
・インフルエンザワクチン接種に対する精神行動の影響に関する縦断研究.
・ポジティブな気持ちは,ワクチン接種後4週および16週でH1N1反応を最もよく予測
・ワクチン接種の日のポジティブな気分は影響力がある
Psychoneuroimmunology という言葉も,初めて知りました.
高齢者ではないですが,日々の業務で疲れ果て,免疫も弱ってそうな時に,
「あれ,インフルエンザの接種期間今日までだ,急いでいかないと,インフルエンザワクチン痛いのやだなー」,という気持ちよりは,ポジティブな方がよいということですね.
ポジティブな気持ちでインフルエンザ接種をむかえるって,具体的にはどんな感じなのでしょうか?
例①「よっしゃー!今日インフルエンザワクチン接種の日だー.さぁ精いっぱい働くのだ,私のIgG達よー」
例②「あれ,インフルエンザワクチンって静脈内じゃないの?皮下注なの?21Gじゃなくて24Gなの?ラッキー」
例③「本日のインフルエンザワクチンの接種を終わらせてからこそ,私は真の医療従事者となりえるのだ.さあどこからでもかかってこい,インフルエンザワクチンよ」
例④「みんな―,オラは今日インフルエンザのワクチン接種なんだ.オラに可能な限り元気を・・・(両手を挙げたまま接種)」
とかでしょうか?
私はこの程度しか思いつきませんでした.ちょっと出来栄えがアレですね.
どれも危険なニオイがしますが,ポジティブになればよいので,それぞれモチベーションを上げてインフルエンザの接種に臨みましょう.
意外と,「今日はあのイケメン先生だ,ラッキー」という女子の方が,ポジティブに受けれる気がします.
若さは素敵ですね.