病院薬剤師のブログ

徒然なるままに。少しづつ勉強していきましょう。

ミヤBM錠12錠シートにわく薬剤師のお話

さて、2020年もいろいろとありましたが、超久しぶりの更新です。

2021年は素敵な年になってもらいたいですね。

 

私にとってのプチニュースの一つが、

ミヤBM錠PTPシート化と共に12錠シートへ、というものです。

 

ほかにもニュースはあっただろう、

というまっとうなご指摘はガン無視して、

知人とやり取りしていた内容をまとめました。

 

いつもながら、薬学的に全く役に立たない、どうでもよい内容です。

でも、ちょっと楽しかったのでおこしてみました。

 

ご意見お待ちしております。

 

われらが酪酸菌製剤、その名はミヤBM

別に私、この会社の株持っているわけでもないのですが

整腸剤の中でも、少し異彩を放っていますよね。

 

以下ミヤリサン製薬株式会社Hpからの抜粋です。

このHpも、今はやりのHpではなく、なんか昔ながらを感じる、

味のあるHpで、私は好きです。

 

宮入菌の歴史について学ぶことができます。

 

1933年、千葉医科大学(現 千葉大学医学部)において、

ミヤリサン株式会社初代社長宮入近治博士は、

人の腸内細菌の研究中、腸内腐敗を強く抑制する

芽胞(天然のカプセル)菌を発見、宮入菌となずけました。

 

http://www.miyarisan.com/med_index.htm

 

 

宮入博士が発見したというのは、薬学を志すものは全て知っている、

国家試験レベルの常識中の常識ですが、

芽胞のあたりがワクワクしますよね。

 

芽胞といえば

Clostridium difficile (今はClostridioides difficile)が有名です。

 

芽胞は熱抵抗性、消毒薬抵抗性が強いとされています。

これが病院内で発生すると、

伝播には非常に気を遣う、感染対策上も厄介なばい菌ですよね。

 

私の中の芽胞のイメージは、とにかく厄介、というイメージでした。

 

それが、宮入博士にかかると

芽胞(天然のカプセル)菌を発見

となります。どうでしょう。

 

ステキすぎます!!!

 

博士のこの発見によって、製薬会社の名前にもなっているわけで、

そのまま今まで続いているので、

製薬会社の中でも素晴らしいところであるのには

間違いないでしょう。

 

ビオフェルミンなども同様かと思いますが、

ミヤリサンのほうがロマンを感じるのは、

私だけでしょうか。

 

「ビオフェルミンはメジャーすぎるんだよね」、というのが

知人の意見です。ごもっとも。

 

近年、ICUで整腸剤をむやみに投与していると、

それによる感染といった報告もあったりと、

整腸剤もまだまだ奥が深い領域かと思います。

 

国内の発表にはとどまりますが、

ミヤBM細粒を投与中にClostridium butyricumによる菌血症をきたした1例、近藤 周平ほか、日本嫌気性菌感染症学会雑誌 (2188-7365)47巻1号 Page34(2017.03)

とあります。

 

さて、みんな大好き宮入菌、ミヤBMですが、

ここからが本題に入ります。

 

このミヤBMが、SP包装からPTPになる際に、

何を血迷ったか(すみません)

10錠から12錠シートへ変更されました。

 

もうオイラはついていけないっす、と思いました。

それだけ10錠包装がしっくりきていたからです。

 

さて、ここからの茶番は、

どうでもよい知人とのやり取りに付加したものです。

しばしお付き合いください。

 

生まれ変わったミヤBMのPTPシート

そこの君!

 

そう、ミヤリサン製薬をしょって立つ

整腸剤のエリート、ミヤBM。

そのミヤBM錠がPTPシートになるそうではないか。

 

PTPになったとたん、12錠包装になって

巷の薬剤師たちを混乱の渦に巻き込んでいるようじゃないか。

 

あれだけ必死なお知らせをずいぶん前から配った割には

12錠包装としては、まだまだ認識されていないようだな…

 

10錠包装からの切り替えは、上手くいかなかったようだな

ククク…

 

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ミヤBM12錠シート

 

そもそも12錠包装は

混乱することはわかっているのだが

ここに俺たち12錠包装、四天王を紹介する。

 

まだまだあとから入ってきた

宮入菌なんかに

12錠シートの良さを

語ってほしくないのだよ。

 

12錠包装四天王 第1の刺客

それでは紹介しよう、

いでよイミグラン錠!

 

 

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イミグラン錠

しょっぱなからスマンが、

俺は6錠シート×2なので、厳密にいうと12錠シートではないのだ。

 

ただ、10錠シートとは間違えられないし

お前らの12錠シートとは違うんだよ。

 

それにな、後発品もおなじ6錠シート×2なのが

男らしいだろ。

 

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スマトリ後発

12錠包装四天王 第2の刺客

どうやらスマトリのやつがやられたようだな…

まあいい、ヤツはこの四天王の中でも最弱だ…

 

次!

いでよゾーミッグRM錠!

 

す、すまん。

俺も6錠シート×2なの。

スマトリと一緒で後発も6錠シート×2で

同じだから許して。

 

あと、みんなゾーミックってよく言うけど

正しくは、ゾーミッグ だから覚えておいてくれよー

 

濁る方で覚えてねー

 

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ゾーミッグ

12錠包装四天王 第3の刺客

やつもやられたか。情けない…

次は本物だぞ。

 

いでよ、重曹錠500mg「マイラン」

 

私は正真正銘、12錠包装、どうだ。

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重曹

 

ただ…

 

経過措置品目なのだ…

 

 

しかし、元気よく

炭酸水素ナトリウム錠500mg「ファイザー」

になって戻ってくる。

 

これも12錠包装だぞ。

間違えないでくれよ。

 

12錠包装四天王 に割って入る、新たな刺客

12錠包装四天王だって?

 私も仲間に入れてくれー

 

どんな時も3の倍数、根っからの12錠シート

ノクサフィル錠だよー

 

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ノクサフィル錠

 

イミ「誰?」

ゾー「??」

炭酸「知らない。いつ使うの?」

 

 

12錠包装四天王 最後の刺客

さて、12錠シート四天王の最後は

私だ。

 

SPトローチ0.25mg「明治」!!!

 

なんてったって、昔から不動の12錠シート。

 

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12錠包装の王様 SPトローチ

 

「用法に1日6回とか書いてあるけど

いつも処方時は適宜とかになってるし、

1日6回投与の処方を見ることなんてほぼないのに、

なぜいまだに12錠シートなんだよ」

 

と過去から現在まで、

何度も若手薬剤師を、混乱の渦に巻き込んできた。

 

トローチ界の貴公子

そしてこの私、SPトローチは

その外観の美しさから

トローチ界の貴公子と呼ばれているのだよ。

 

見た目が違うでしょう。

 

保険薬に収載されているトローチは

エンペシド

セチルピリジニウム塩化物

アクロマイシン

オラドール

 

とあるが、あやつらは何の変哲もない

ただの錠剤だ。トロ―チのプライドを感じない。

 

その点私は、

ブルーをあしらった上品な色調をもち、

さらに真ん中に穴が開いている

まさにトローチ界のトローチ。

そして12錠包装。

 

さらに、今どきの小包装なんて甘い考えはなく

男らしく 1,200錠、3,000錠包装という太っ腹。

 

 

過去いにしえより、若手薬剤師が発注する際に

包装単位を考えずに100錠くらいだろうと

気軽に2箱とか発注して

大惨事になったことも多数。

 

どうだい、12錠シートという特徴と共に

このド迫力。

 

宮入さん、恐れ入ったかい?

 

ミヤBMさんの回答

ミヤ「12錠包装は、やっぱりイケてないな、この面子では。

あ、ちなみに私、PTPでも960錠もありますし、バラ錠だと1000錠もあるし、

そもそもSPトローチなんかより全然処方出るし」

 

12錠包装の薬剤は奥深い…

 

ぜひ楽しみながら調剤してみましょう。

 

 

し、しまった、オチがない…

 

お付き合いいただき、ありがとうございました。

他にも12錠シートがあったら教えてください。