これから薬剤師として働く方,すでに薬剤師として働いている方,自己研鑽や空いた時間に情報を得る目的で,こちらを登録しておくと非常に便利であろうものを,少し紹介させていただきます.個人的な見解もいくつか入っていますのでご容赦ください.
医薬品情報を得るツール,登録しておくと便利なサイトなどを少しご紹介いたします.
登録は是非.必須のもの
PMDAメディナビ
薬剤師は誰もが知っている,PMDAメディナビ.こちらは非常に優れたサイトです.
現在は,添付文書がフリーで見られるようになりましたが,改訂情報や,安全性情報なども含め,様々な情報が公的なところから発信されています.
ここに登録をしておくと,その情報を受信できます.薬剤師の9割以上の人が登録をしています.必ず登録しておきましょう.
安全性情報のほかに,医薬品の回収,副作用救済給付決定の情報,RMP掲載情報,承認情報等,とにかく必要な情報が届きます.薬剤師として働くのであれば,この情報は必須です.まずこちらの登録を済ませておくと良いでしょう.
業務のために持っているメールアドレスであれば,そこを登録するのが良いかと思います.異動があったり,メールアドレスが変わる可能性があれば,フリーメールでも登録できます.
可能な限り,ここからメールが来た際に,タイトルだけでも見るクセをつけておくと,必要最低限の情報というのが得られます.これは必要最低限です.しかし知っておかなくてはいけない内容になるかと思います.
正確で公的な情報.とにかく登録しておきましょう.
こちらの優れているところは,なんといっても,登録をしておくと自動的にメールが来るということです.
情報を探しにいかなくても,自動的に公的な情報が得られる,ということに尽きるかと思います.
ですので,たくさんメールが来ているとついつい忘れてしまったりします.
MRさんからの情報などよりも,こちらの方が早く,公的な内容であるため,
逆にこれ以上の情報が得られないような,MRさんからの情報というのは,不要になってしまうほどです.その内容はしっかり確認しておくことが必要かと思います.
ほとんどの病院薬剤師,薬局薬剤師が登録をしているというアンケートが出ています.こちらの登録が薬剤師としての第1歩になるかと思います.ぜひ登録しておきましょう.
情報収集に便利なサイト
① M3
登録をしておくと便利な情報が得られるサイトはありますが,その中でも日本最大級の医療従事者用の専用サイトがこのM3かと思います.
<日本最大級>医師向け最新医学・医療情報サイト | m3.com
私も登録していますが,こちらは様々な勉強会の情報やニュースはもちろん,コミュニティーサイトや求人サイトなども持っていて,登録をしておくだけで,様々な情報が得られる非常に優れたサイトです.
個人的な感想ですが,このようなものを無料で活用できるというのは,本当に助かります.すべての情報を見る必要はないですが,その中でも医師の記事であったり,学会速報であったり,昼休みなどに少し眺めるだけで,かなりのアップデートが期待できます.
もしまだ未登録の方は,こちらも上記PMDAメディナビと同様,登録をしておくことをおすすめします.下記2つの内容もご案内しますが,もし情報が過多になってしまうようであれば,このM3だけでも良いのかもしれません.
ただこちらにある,薬剤師掲示板のコミュニティーサイトは,現場の薬剤師の,おそらくかなりぶっちゃけた内容が書かれています.言葉は悪いですが,相当ダークな内容も書かれています.
私は数年前に見て以来,こちらを見ていませんが,おそらく現場の薬剤師の生の声が聞けると言う意味では,登録してちょっと閲覧をしてみる位が良いのかもしれません.
それ以上の登録をする価値はあると思います.
②日経メディカル
様々な情報を検索する際に,目にとまる記事を選ぶと,日経メディカルの内容であることが比較的多いです.こちらの中では,様々なコラムが連載されています.
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/info/about/
そして日経メディカルの大きな特徴は,薬剤師以外にも,医師,看護師,医療系に関するコラムも充実しているところでしょう.
他の職種が,どのような点に注目し,記事を書いているのか,というのを見るだけでも,とても勉強になります.
さらに,こちらの中では,医学論文が紹介されているコーナーがあります.世界の著名な医学雑誌を,一つ一つ自分で見ていくというのは,ライセンス契約の問題もありますし,なかなか時間的に難しいものがあるかと思います.
その領域の専門家が,わかりやすく解説をしてくれる日経メディカルは,とても参考になるかと思います.そういえばこんなことが載ってたなぁ,というのを自分で見たときに,その専門医がどのように読み解いているのか,というのを合わせて見比べたりするのもよいと思います.
登録しなくても,ある程度のところまでの概要が読めたりもしますが,やはり登録することによって全ての内容をみることができます.日経メディカルは非常に有用なサイトです.こちらもぜひ登録しておくと良いでしょう.
薬剤師として,新しい薬のアップデートをするというのは,もちろん大切なことになるかと思いますが,この中でも新薬の情報が紹介をされています.
発売される前の位置づけ等の情報が主ですが,こちらもどういった薬が発売されてくるのか,概要の把握には優れていると思います.勉強するための情報は他にもありますが,こちらはしっかりとした記事となっていますので,概要を学ぶ際に読んでみると良いと思います.
③ケアネット
ケアネットも,全国で登録をされている医療従事者は非常に多いかと思います.私の周りの薬剤師もこの3つは登録している人が多いです.
https://www.carenet.com/member/regist_pre.php?keiro=pharm_1402
CareNet.com へようこそ|医師・医療従事者向け医学情報・医療ニュースならケアネット
内容については,かなり専門的なものが多く,特にこちらのサイトでは,海外の主要文献が専門医により解説をされていて,その質がとても高いです.
新しい文献を,上記のように自ら調べ,チェックしていくというのは,なかなか難しいかもしれません.
興味がでてくるまでは,慣れるまでは,こちらのケアネットやM3,日経メディカル等の情報をうまく利用して,少なくともどういったことが,話題になっているのかという事をつかんでおくといいかと思います.
薬と今の医療について,アンテナをはっておくのは,良いことかと思います.いずれも有用なツールだと思います.
当然ですが,インパクトの強い論文や情報などには,いずれも同様の記事が載ることがあります.新聞報道も同様ですよね.
こちらも上の3つを見比べながら,どういった話題があるのかというのを,比べてみるのもいいかもしれません.
様々な文献,医療情報というのが日々更新されていきます.
なかなかこれらの情報を,自分で見つけ出し,まとめ,理解するという事をはじめから行うのは非常に骨が折れる作業です.
私は,こういった有用かつ無料で得られる情報は,利用できるものは利用するといスタンスの方が長続きするかと思います.
慣れれば自分で検索し,原著にあたるというのが必要になってきます.ただ,なかなかそれはすべての方が,初めからできるわけではありません.
そういえばこんな報告が,ここら辺にあったな,という程度で,何となく頭の片隅に覚えておくことで,それが生かされる状況というのは必ず出てきます.
実際それで助けられるケースという場合も多々あります.少し長くなりましたが,上記の3つがもし可能であれば,ぜひ会員登録することをお勧めいたします.
新しい薬剤や,ニュースをチェックすることによって,その論文を全て読むわけにはいきませんが,少なからず数年後にはそういった領域のトピックなどが,だんだん見えてくることになるかと思います.
薬剤師は,専門知識などに特化してしまいすぎると,現場では役に立たないけどケースという事も発生してしまいます.
あくまで広く知識を吸収する,話題性のあるものに目を通しておく.その敷居を低くし,受け皿を広げておくことが,将来の礎につながっていくものと私は考えています.
もし登録していても,見ていない方,もしくはなかなか目を通していない方(実は最近の私も…),これを機会に,ぜひ日々のニュースなどに目を通し,少しずつ自分のものにしておきましょう.
医療は常に進歩しています.その医療を医師にのみにお任せしていると,破綻が起きてしまうのは,日々の業務から感じ取れるかと思います.時間的にも,優秀な医師は医療,全体の治療方針に関して携わるべきで,薬剤師は薬剤に誰よりも特化すべきであると考えています.
少しでも医療に貢献できるように,少なくとも日々の勉強などを行う,そのためには,知っている人から教えてもらう,利用できるものは利用する,というのが自らの研鑽に最も手っ取り早い方法なのではないか,と私は感じています.
これらの情報を得ながら,さらに自ら情報収集し,評価し,次のステップにつなげていくというのは,もう少し先に行えば良いのではないかと思っています.
上記のようなウェブサイトの情報を,手に入ることによって,当然自分だけで,というのも良いかもしれませんが,友人や知人,同期などがいたら,ぜひそのニュース等について少し語り合ってみると良いかと思います.
論文の抄読会というのは,自己研鑽には最も必要であり,行わなくてはいけないことだと感じています.
しかしながら,新入職員や若い人にとっては,それは非常に大きなハードルであり,私も若い方と話をしていると,そのような時間がなかなか取れない,それよりはもう少し業務的なものを,基本的なもの優先したい,と言う声をよく聞きます.
そうすると,いきなり英語の論文を初めから読むというよりは,こういった最新の医療論文を少しでも解説してくれるものをまず読んでみる.
興味を持ってみる.
そこから始めるのが私は良いかと思います.
いずれ興味が出てくれば,必ず自分でこういったものを検索収集するようになってきます.ただ,その第一歩になるために,こういったツールは非常に優れているかと思います.
何度も言いますが,登録しなければ見ることができません.ぜひ若いうちからこういったものに登録をしておくと良いかと思います.
時間がなければ流し読みでも.私も時間がないときはとりあえずEvernoteへ.後から見たりしています.
意外と役立つ,卸さんの情報
その他に登録できるものとしては意外と医薬品卸のホームページが有用です.医薬品卸は様々な製薬会社の薬剤を扱っています.その業務の特性から,製薬会社が作れないような比較表や資料などを,うまくまとめてくれています.
版権の問題などがあるかもしれないので,使い方は制限されるかもしれません.しかしながら,自分での勉強での個人的な利用は問題ないと思います.一覧表などの作成には時間がかかります.そしてアップデートにも時間がかかります.うまく利用できるものは利用して,適切な情報を得るのは大切だと思います.
私は,医薬品情報の業務も行っているため,e-mediseo とSAFE-DIを登録しています.薬価や添付文書改訂の情報,過去の履歴なども見ることができるため,非常に重宝しています.
個人登録というより施設での登録でよいかもしれません.
→2020年2月29日(土)をもって終了,下記になりました.
Clinical Cloud(クリニカルクラウド)へようこそ! | Clinical Cloud by MEDIPAL
e-mediceoは使用しやすかったのですが…
改めて登録が必要なようです.まだこちらはほとんど使用していないのですが
とりあえず登録しています.
転職サイトの登録
若い方は,えっ?,免許を取得,就職したばかりなのにもうそんなことを行うの?
と感じるかもしれません.
おっしゃる通りです.
前回のブログでも書きましたが,薬剤師の免許を取得,仕事を続けていくには日々の情報収集,アップデートが必須です.
そして,業務として,働けるピークというものが存在することを,若いうちから認識しておきましょう.
病院では,特に大きな薬剤部では,そのほとんどが,その薬剤部に継続して就職するためには研究が必須です.
薬剤師として働きたい,研究は苦手,という人でも,就職することはあるでしょうし,働いて研究をしてみたら,苦手でできないかもしれない,ということはあると思います.
調剤薬局で働いていても,給与面や休み,異動など様々な環境で転職を考えることがあると思います.
女性であれば,結婚,出産を考えた時に,産休,育休などをとって,仕事を続けられている方も多いです.旦那さんの仕事の関係で,ということで引っ越しとともに退職,転職される方も多いです.
若いうちから,将来のことを考え,情報を集めておくことは大切です.
ですので,できる事なら初めから,様々な情報に目を通しておくとよいでしょう.
自分の価値を何で測るかは人それぞれです.やりがいや時間,お金も含め,様々な要因があるかと思います.
そして上記の通り,働ける期間というのは限られています.若い時にはほとんど感じることはないかもしれません.
転職することは決して悪いことではないと思っています.同じところで業務を極めるというのもよいでしょうし,何がよいのかはその本人によって異なります.
そのための情報を登録し,得ておく,いざとなったときに備えておく,というのがよいと思います.
以下はどれも有名どころです.すべてではなくてもよいと思います.
いくつか登録してみて,色々な情報を集めておき,いざという時に備えましょう.
私も登録しているものも含めいくつかご紹介します.
①ファルマスタッフ
②薬キャリ
③ジョブデポ薬剤師
④薬剤師求人.com
⑤ファル・メイト
⑥m3.com Pharmacist
他にもまだまだある,有用なサイト
登録する必要はないですが,知っておくとよいものを少しご紹介
Minds ガイドラインライブラリ
様々なガイドラインを見ることができます.いざというときにどんなガイドラインがあるのかを見ておくだけでもよいでしょう.
循環器病ガイドラインシリーズ
日本循環器学会から,Hp上で無料でダウンロードできます.これは本当に素晴らしいです.
くすりのしおり
作成に少し遅れる場合もありますが,説明する際にはとても便利な情報になります.英語バージョンもあります.
重篤副作用疾患別対応マニュアル
薬による副作用などが疑われたときに,まず確認すべきサイトです.これも様々な情報が閲覧できます.患者さん向けのものもあります.もし領域がある程度限られていれば,こちらの資料を知っておくと便利です.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp061122-1.html
腎と薬物療法学会
eGFR,Ccrの計算などができます.近年,腎機能と薬剤の用量については安全性情報も出ております.ぜひ登録しておきたいところです.
腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧,も非常に有用です.この学会には頭が上がりません.平田先生スゴイ!!更新もこまめです.
腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧 - CKD関連情報 | 日本腎臓病薬物療法学会
ミクスオンライン
ある程度無料で内容を見ることができます.製品回収などの情報も早いです.私のブログのネタもこちらを見させていただくことも多いです.
少し慣れてきたら…雑誌・書籍類も
ほかにもいろいろなニュースを見る方法はあります.
書籍であれば日経DIはあまり厚くなく,値段もそれほど高額ではないので,もし職場で購入していれば,それを読んでみるのも良いでしょう.
日経DIクイズは,処方に対する意図等も解説があります.上記ウェブサイトの登録でももちろん情報は得られます.少し余裕があるようでしたら,日経DIを読んでみるのもオススメします.職場や先輩で購入していたら見せてもらうとよいでしょう.
職場でとってあれば,購入は不要かと思います.
日経ドラッグインフォメーション【プレミアム版】
日経ってたくさん雑誌がありますね.他も読んでみたいですが,医療・バイオのタグを選ぶと日経ドラッグインフォメーションがあります.購入であれば,年間購入がお得です.
なんかスゴイのも
日経DI 20周年記念縮刷版DVD [1998-2018]
日経BP SHOP|日経DI 20周年記念縮刷版DVD [1998-2018]
調剤と情報・月刊薬事
こちらが有用な書籍でしょう.特に保険関連等の情報を,私は調剤と情報などから得ることが多いです.病院薬剤師は特に保険にはとても弱いため(病院に専門の医事部門の方がいて,お任せしてしまうため),これからの方向性などを,これらの雑誌から得ることも多いです.
日経DIに比べると少し購読料は高額になるかと思います.
個人での契約をすると,おそらくどれか1種類程度になってしまうのではないでしょうか.自分で身銭を切った方が身に付くと言うのもわかりますし,これは個人の判断になるかもしれませんが,私は定期購読というより,どちらかというとちょっとアレかもしれませんが,別冊を購入しています.
下記のブログでも紹介をしていますが,日々の情報というよりは,その特集号で,今の話題をしっかり理解しておくというのがよいと感じています.
発売と同時に買わなくても,数年であればこの情報は新しいものだと思います.
バックナンバーや中古で購入するのも良いでしょう.
自己投資と言う意味では,予算があれば購入してみると良いかもしれません.
以上,独断と偏見でご紹介いたしました.
私のお役立ちブログ(おまけ)
他にも私の勝手なお役立ちブログもございます.
よろしかったらどうぞ.
適宜紹介していこうと思います.
もし有用なものがありましたらお教えください.