薬剤師国家試験も終わり,少し早いですが,薬剤師となる皆様おめでとうございます.
そして日々仕事をされている薬剤師の皆様,お疲れ様です.
本日は,少し,薬剤師として働くことについて考えてみたいと思います.主に仕事を続けていくために,ということについてです.未来へのエールを込めて,です.
こちらにお役立ち情報もまとめました.よろしければこちらもどうぞ.
- 薬剤師として働く事とは
- 若い力に期待する
- 何をしていたんだろう,とならないために
- いつでもよい,常に未来の事を考えてみよう
- 経験を生かせる薬剤師になりたい
- 何をやってきたか,を測るもの
- ただ,何年働いていました,とならないように.
薬剤師として働く事とは
薬剤師として働くと言う事は,すなわち,薬物治療に責任感を持ち,仕事をするということになります.
そしてこれは最も大切なことになりますが,薬剤についての知識を高める,常日頃勉強を継続していくということが必須になります.
学生と話していると,あたかも国家試験の通過が目的のような方もいますが,国家試験はあくまで通過点です.
通った後,どのように過ごすかで,これから数年先が変わってきます.
仕事を始めると,もちろんマナーなども必要ですが,
まず第一にその職場の求められるもの,
薬剤の知識以外にも業務上の手順などを学ぶことになります.
初期研修なども行わずに(マナーや態度などの接遇研修),
医療の現場に飛び込まざるを得ないのが,
今の医療職ではないかと感じています.
接遇マナーは,最も大切なものの一つです.
患者さんという,人との接点があるので,日々の研鑽を心がけましょう.
転職された方も同じかと思います.
異動や部門の変更などをされた方も同様です.
薬剤師の仕事は,国家試験で問われた知識を持って仕事をする,
そして薬剤師らしい仕事をする,根底となる知識を持った上で仕事をすることになります.
そしてそれは,医療の現場で働くと決めて就職したのであれば,
調剤薬局であってもドラッグストアであっても病院であっても,基本的には同じであると私は考えています.
研修を含めてですが,今の学生さんたちは,これらの3つの大きな就職先を,実習も含め経験できることが多いと思います.私もアルバイト経験なども含めると,それぞれの違いなどを少しは理解しているつもりです.
シチュエーションなどによって,その知識が問われる内容や場面は異なりますが,
薬剤師の免許を取ったままで,その後アップデートができない薬剤師は,残念ながら現場では継続して力を発揮することができず,いずれその適性を問われるということが起きてしまいます.
そしてこれは,AI等が発展する今後も,最も顕著になってくるであろう部分かと私は感じています.
今後紹介する優れたネット情報は,登録をしておくことによって,
これからの薬剤師人生,数年後もしくは数十年後に,
必ず皆さんを助けてくれることになるものであると私は信じています.
そして私も,医薬品の情報を扱う立場から見ても,これらから得られる情報というのは非常に多く,今後も継続して使用していくものになります.研鑽を助けてくれるものです.
若い力に期待する
特に若い方,新人の薬剤師は,希望に燃え熱意もあり頭も柔らかいでしょう.
大学で習った薬剤が,実際どのように使われているのかというのを,
実習ではなく実臨床で経験することになります.
そしてそれは非常にインパクトが強く,成功や失敗などを経験し,優れた薬剤師に成長していくことになります.
私も含めた薬剤師の経験者,若い人から見れば先輩にあたるような人間であっても,当然元は新人です.新人でした.
それでは,新人,若い人と指導者との違いは何でしょうか?
単純かもしれませんが,その違いは経験です.
その経験は,日常の業務が基になっていますが,
私はその日常業務だけでは,ただの経験にとどまってしまうと感じています.
実際の薬物治療では,様々な医薬品が,どのように使われ,
そして安全性や有効性などを,薬剤師が評価をすることによって,その知識・経験が深まっていくものと感じています.
ですので,ただ経験をしているだけでは,これも残念ながら数年後にはその経験によって何を得られたのかというのを,しっかり自分自身で整理をしていなければ,
ただ薬局・ドラッグストア・病院で何年仕事しただけの人になってしまいます.
文章長くなりましたがこれは非常に恐ろしいことです.
薬剤師の免許を取得して何年経ったか,ではなく,何を得たか・何をしてきたか,ということが問われることになるわけです.
何をしていたんだろう,とならないために
あなたは何年どんなことをしていましたか?と言うことに対して,はっきり自分で,その経験に対する回答が言えない,これは致命的です.
それであれば,転職等においても,全くの新人の方が,いろいろな事の先入観がなく,むしろ素直に聞き入れてくれるでしょうし,今後の成長を考えると,
中途採用等については,どちらがいいかというのを判断するのは,その経営者になるかと思います.
薬剤師は先ほども述べましたが,
薬物療法などに積極的に関わることで,様々な経験をする,そしてその経験をしっかり自らのものにしている人のみが,その経験を生かすことができるようになると私は考えています.
なんとなく仕事をこなしているだけでは,残念ながらそれは身に付きません.
これはその人の日々の過ごし方にもよるでしょうか.
いつでもよい,常に未来の事を考えてみよう
少し未来のことを考えてみましょう.
自分が1年後これぐらいの事までをやりたい.
3年後にはここまで5年後にはここまで.
ぜひ若いうちに目標を設定してみてください.そしてそれは高ければ高い方がいいです.
誰かと比べるものではありませんが,もし友人や同期の方がいたら,お酒の力を借りても構いません,仲間たちといろいろな未来のことを語り合ってみましょう.
一人よりは,複数の方が,モチベーションも高まりますし,
同じ境遇の人たちの方がいいに決まっています.
そうすることで,厳しい世の中を,少し渡りやすくなるかもしれません.
薬剤師として,20代から30代,40代にかけて,何を経験し何を学んだかというのが,
非常に大きな資産になるかと思います.
なるべく多くの方に触れ,いろいろな人と話をし,
人から頼られるような薬剤師になっていただければと思います.
偉そうなことを言っていますが,私もまだその道の半ばです.
40代を超えると,おそらくその先は管理者など,薬剤師の業務以外のことを
行うことが増えてくるかと思います.
若くして出世された方は,もっと早くから経験することになります.
そしてそれは,諸先輩方を見ていると,現場に比べると,
あまり刺激的なものでは無いのかもしれません.
経験を生かせる薬剤師になりたい
ある程度経験をしてくる,それは加齢も伴います.
そしてそうなった際には,残念ながら,若い頃持っていたであろう向上心や情熱が,少しずつ変化してくることになります.
そしてそれは普通のことです.
働いていくと言う事は,そのモチベーションの維持を,
常に継続していくということが必要になります.
お金や,やりがい,様々なものが絡んでくるでしょう.
しかしながら,若い頃の自己研鑽や経験というのが,
どの人もその根本になるかと思います.
体を壊すほどの苦労は,もちろんする必要はないです.
しかしながら,業務が終わった時間,どのような時間を使ってでもよいので,
自己研鑽をする努力は忘れないようにしたいものです.
数年後には,必ず自分の大きな基礎になってくると私は信じています.
何をやってきたか,を測るもの
薬剤師は,どんな仕事もこなせなくてはいけません.
こんな患者さんが来たけど,調剤できない,説明できない,というのは残念ながら成り立ちません.
それゆえに,広く浅い知識も必要になりますし,スキルも同様かと思います.
そして薬剤はますます理解が難しいものばかりが発売され,
日々の理解が追いつかなくなりつつあります.
そのために,何を行ってきたか,という業績を準備する必要があるかもしれません.
最も理解しやすい業績は,研究結果になります.
日々の業務から,疑問点を抽出し,それに対するリサーチを行い,
客観的な評価を踏まえて論文として公表する.
これができるようになると,その専門知識を生かして,
次なるステップとして認定や専門薬剤師というものにチャレンジすることになります.
これらは自分が何をしてきたか,というのを客観的に評価してもらえるのには有用でしょう.
何でもできて当たり前,できないのがおかしい,というような業務では,
なかなか何をやってきたか,などというものは評価しづらいという,
薬剤師業務の特異性があるのかもしれません.
日々どのくらい調剤をした,などは数えておくのは難しいでしょう.
いずれにしても,数値として示せるようなものを持てると,
それが何をやってきたか,というのにつながるかもしれません.
答えはないですが,一つ言えることは,色々な経験を積極的に,自ら行ってみましょう.
そのためには,日々のコミュニケーションは大切ですし,色々なところにチャンスはあると思います.
日々の経験をしっかり評価して,自分のものにする.
記録しておく.
学会などでの発表,論文などにも挑戦してみる.
最新のニュースにも触れ,その情報を集める努力は怠らないようにしましょう.
薬のプロとなるべき人たちが,薬の最新情報を他の人から聞く,というのは,残念なことかと思います.ぜひ,自己研鑽も忘れずに.
ただ,何年働いていました,とならないように.
新しく在宅を経験する,ということもよいでしょう.
チャレンジできることは,なんでも考えてみる,どうやったら行えるかを考える.
オンライン服薬指導なども今後進むと思います.
その際には,薬剤師は顔がどれだけ見えるか,自分をどれだけ上手にアピールできるか,というものも必要になってくるでしょう.
経験をどのように蓄積し,自分のものにし,アピールできるようになるか.そのためには何をすべきか.
将来どうなりたいのか.
もし国家試験が終了し,就職まで少し時間があるようでしたら,リラックスと共に,少し未来の事を考えてみましょう.
未来があるのは素晴らしいことです.
初心忘るるべからず.
私ももう一度初心に帰りたいと思います.